特集 上部消化管がん看護のいま2020
周術期の患者を支援するためのコミュニケーション ~意思決定と不安に寄り添う看護~
鴨川 郁子
1
Ikuko KAMOGAWA
1
1がん研究会有明病院看護部/がん看護専門看護師
pp.555-557
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_555
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はじめに
がん患者が最初に受ける治療の64%は手術(腹腔鏡・胸腔鏡・内視鏡手術も含む)であり,次いで薬物療法24%,放射線療法3%と報告されている1).つまり,多くの患者が初めてのがん治療法として「手術をする」という意思決定プロセスを体験している.がん患者にとって手術ができるということは,治療への希望として受け止め,治癒が望めないときでも,がん摘出により身体の不快な症状の消失,生存期間の延長に期待する人が多い2)と言われている.
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