特集 生活の視点で読み解く! 今日の緩和ケア ~患者になにが起こっているのか~
Ⅴ 動く・体勢を整える
廃用症候群による痛みのケア
中山 祐紀子
1
1医療法人社団杏順会越川病院看護部/がん看護専門看護師
pp.482-484
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_482
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看護師のアセスメント
がんの経過の特徴として,亡くなる1~2ヵ月前まで身体機能が維持されると言われている.しかし,疼痛や呼吸困難,倦怠感などの症状が改善せず,ADL(日常生活動作)低下や不活動状態が長期間続くと,廃用症候群と呼ばれる症候を示す.筋力低下による歩行困難や関節拘縮,褥瘡などが代表的な症候の1つである.これらの症例は時には痛みを伴い,いったん発生すると容易には改善しない.
廃用症候群に伴う痛みのケアを考えるうえで重要なことは,がんに伴う症状マネジメントと併せて,生活のしかたや活動量,精神的苦痛の程度,家族や介護者の負担感および気がかりなどを含めた全人的苦痛の観点でアセスメントを行い,チーム内で共有できるようにする.
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