特集 生活の視点で読み解く! 今日の緩和ケア ~患者になにが起こっているのか~
Ⅲ 呼吸をする
咳嗽のケア
岩崎 多津代
1
1国立病院機構東京医療センター看護部/がん看護専門看護師
pp.448-450
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_448
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
看護師のアセスメント
咳嗽により生じる苦痛な症状とその症状によって日常生活への影響を考える.
咳嗽反応(反射)は,気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応である1).そのため,通常はしっかり咳嗽をして気道内の異物を出すように患者に推奨する.しかし,咳嗽は咽頭粘膜や気管が刺激されると反射的に生じ,乾いた空気や冷たい空気を吸い込んだ場合や気道に炎症を生じた場合,それらの刺激で出ることもある.そのため,喀痰を伴う咳嗽(湿性咳嗽)か,喀痰を伴わない咳嗽(乾性咳嗽)かを見極めることも大切である.ただ,咳嗽が続くことで睡眠,休養,食事,社会生活などの日常生活への支障をきたしていないかを確認することがQOL維持に重要である.
咳嗽により生じる苦痛症状と,それらに伴う移動や食事,排泄,清潔行動など基本的な日常生活動作への影響について解説する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020