リレーエッセイ 若手がん看護CNS奮闘中! ~これからの活動の場を考える~ 第6回
在宅・訪問看護の場で活躍するOCNS
患者さん・家族の生活,そして地域へ
矢野 順子
Junko YANO
pp.768-769
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_768
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自己紹介
私は福島県内の看護大学を卒業後,都内のがん専門病院に5年間勤務しました.当時担当していた患者さんが「家に帰りたい」と希望し,外泊という形で数日間自宅に帰りました.病院に戻った患者さんは「家はよかったよ」と晴れやかな表情で話してくれましたが,数週間後に病院で亡くなりました.その後も「家に帰りたい」と希望する患者さんに出会いましたが,ほとんどが病院で最期を迎えました.私は不全感を抱くとともに,患者さんにとっての家とはどのような場所で意味をもつのだろうという気持ちが芽生え,訪問看護や在宅緩和ケアに興味をもつようになりました.退職と同時に母校の大学院に進学し,OCNSと在宅緩和ケアについて学びました.2014年に現在の職場に就職し,OCNSの資格を取得しました.
当院は訪問診療・訪問看護を専門とした在宅療養支援診療所で,がん・非がんを問わずさまざまな疾患をもつ患者さんとその家族を対象としています.全体の約7割が終末期がん患者さんで,年間150件程度の自宅看取りを行っています.スタッフは医師,看護師,事務員のほか,併設する居宅介護支援事業所にケアマネジャー,ソーシャルワーカー,ホームヘルパーが所属しています.
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