特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診断・治療・ケアの実践】
小児・AYA世代がん患者・家族の看護 ~多様なニーズに応じた支援への取組み~
津村 明美
1
,
黒木 佳也子
2
Akemi TSUMURA
1
,
Kayako KUROKI
2
1静岡県立静岡がんセンター6東病棟/がん看護専門看護師
2静岡県立静岡がんセンター6東病棟副看護師長
pp.648-649
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_648
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
いま求められているもの
静岡がんセンター(以下,当院)では,2002年の開設以来,9床と小規模ではあるが,小児がん病棟を運営し,国内最大規模のがんセンターの38診療科と密な連携を図り,同時に,小児がん陽子線治療の拠点として,脳腫瘍や肉腫をはじめとした悪性固形腫瘍の患者を全国から受け入れてきた.とくに,小児がんの分野では,開設初期から,看護師はチャイルド・ライフ・スペシャリストと協働し,患児のケアや親をがんで亡くす子どものケアに注力してきた.近年,小児がんの診療後で成人になった場合のシームレスな医療や,AYA世代のがん患者の特殊性が浮き彫りになったため,その課題への対応として,小児からAYA世代をシームレスにつなぐ日本初の小児・AYA世代病棟を,2015年に開設した.
第3期がん対策推進計画では,「がん医療の充実」という柱において「小児のがん,AYA世代のがん」が重要課題として取り上げられている.本稿では,当院における小児・AYA世代がんの診療,支援体制の実際について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019