特集2 研究結果を生かした診断・治療期の緩和ケア ~実践へのチャレンジ~
【2.ライフステージに応じた緩和ケア】
AYA世代に応じた緩和ケア ~ニーズを知り,意思決定を支援する~
北田 なみ紀
1
,
荒尾 晴恵
2
Namiki KITADA
1
,
Harue ARAO
2
1大阪市立総合医療センター緩和ケアセンター/がん看護専門看護師
2大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻/教授
pp.46-49
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango25_46
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はじめに
AYA世代とは,就学期で心身の自立にむかうA (Adolescent;思春期)世代と,就労し家庭をもち,次世代を生み育てるYA (Young Adult;若年成人)世代をいう.研究では,特有の心理社会的問題1)や,Unmet needs(満たされていないニーズ)とQOLとの関連2),意思決定への参加意欲の高さ3)などが報告されているが,治療期のAYA世代における緩和ケアは,世界的コンセンサスも,看護に関する研究もまだ認められない.
本稿では,早期緩和ケアの要素である「つらさへの対応」「意思決定支援」の側面から,AYA世代の緩和ケアにおける看護師の役割を考察する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020