特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診断・治療・ケアの実践】
がんゲノム医療に必要な看護師の視点 ~検査を理解し,患者の意思決定とこころを支える~
福﨑 真実
1
,
浄住 佳美
2
Naomi FUKUZAKI
1
,
Yoshimi KIYOZUMI
2
1静岡県立静岡がんセンター認定看護師教育課程/がん看護専門看護師
2静岡県立静岡がんセンター ゲノム医療推進部/認定遺伝カウンセラー
pp.639-640
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_639
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静岡がんセンターでは,「近未来のがんゲノム医療のシミュレーション」をテーマに,2014年1月より,全医療スタッフの半数が参加するがんゲノム医療研究プロジェクトHOPE (High-tech Omics-based Patient Evaluation)を開始した.2019年4月末時点で6,148例が登録され,順次解析が行われている.対象は,研究への参加に同意が得られ,当院で腫瘍摘出手術を受けた患者のうち,解析に十分な量の検体を採取できた症例である.手術時の摘除組織および血液について,体細胞遺伝子変異と生殖細胞遺伝子変異の両面から解析を行っている.
日本では,2018年3月に閣議決定された第3期がん対策推進基本計画において,「がん医療の充実」という柱の第1の項目に「がんゲノム医療」が挙げられた1).そして2019年6月からがん遺伝子パネル検査が保険適応となった.本稿では,プロジェクトHOPEの結果で,臨床的に看護師が把握しておくべき情報を整理し,がん遺伝子パネル検査の特徴とがんゲノム医療に必要な看護師の視点について述べる.
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