特集 いま必要ながん看護 ~がん対策推進基本計画の実現を目指して~ 【診断・治療・ケアの実践】
ロボット支援手術における看護師の役割 ~高度かつ複雑な医療機器の使用と患者の安全のために~
泉 眞美
1
,
川口 奈津美
2
Mami IZUMI
1
,
Natsumi KAWAGUCHI
2
1静岡県立静岡がんセンター手術室/看護師長
2静岡県立静岡がんセンター手術室/看護師
pp.641-642
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_641
- 有料閲覧
- 文献概要
いま求められているもの
静岡がんセンター(以下,当院)は病床数607床,入院患者の95%はがん患者であり,全国4百あまりのがん診療拠点病院の中で,手術件数はトップスリーの一角を占めている.その内訳は,年間(2018年度)全身麻酔手術3,647件(胸腔鏡下,腹腔鏡下手術1,393件),局所麻酔手術1,089件で,そのほかに内視鏡手術(胃,食道,大腸)が4,183件実施されている.その9割は積極的ながん治療,残りは,イレウス,腫瘍からの出血,気道狭窄など,延命ないしはQOLの向上を目指す手術である.ロボット支援手術は2011年から導入し,2018年は胃外科,大腸外科,泌尿器科,呼吸器外科の4診療科で年間336件と全身麻酔手術件数の9.2%まで拡大している.本稿では,とくにこの件数のロボット支援手術をいかに効率的に,また医療安全に配慮して実践しているか,そして現在の課題について述べてみたい.
© Nankodo Co., Ltd., 2019