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意思決定とは、ある目的を達成するために、複数の手段の中から一つの選択をすることによって行動方針を決定することをいう。意思決定支援において看護職がジレンマを感じるのは、患者自身が何らかの理由で意思決定できないときである。そんな時、看護職はどのように対応すればよいのだろうか。本シンポジウムでは、意思決定に関する看護職共通の問題をとりあげ、看護職、患者の家族、医師、弁護士の立場から発言いただき、患者が意思決定できないとき、何を考え、どのようにすべきなのかを考える機会とした。
最初に登壇した高橋久美子氏(大分県立病院看護師長)は、「周産期看護の立場から」と題し、生命誕生の現場で妊娠・出産にともなうリスクをもつ母子の双方の状態を考慮しながら意思決定を支援するケアについて実践例を含めて話された。2人目の三浦恵子氏(認知症の人と家族の会)は、「認知症の人の意思決定を支える家族の想い」と題し、家族の立場から認知症患者への医療の選択について、ご自身の家族への胃ろうの選択から看取りまでの体験も含めて意思決定に対する医療従事者の支援について語られた。3人目の楢原真由美氏(大分健生病院理事長)は、「臨床倫理委員会における倫理コンサルテーション」と題し、医師として臨床倫理委員会を立ち上げて現場からの倫理コンサルテーションを受けている取り組みや、インフォームド・コンセント後の患者の意思決定プロセスを大事にする診療活動について話された。最後に久保井摂氏(九州合同法律事務所)は、「インフォームド・コンセントの主役は患者」と題し、弁護士の立場から患者の近い存在で患者の「最善」は何かという問題に直面する看護職の活動と基本的人権や患者の権利に関して法律実務家として語られた。
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