特集 災害時のがん看護を考える ~被災地における経験からの提言~
災害看護の基礎知識
中信 利恵子
1
Rieko NAKANOBU
1
1日本赤十字広島看護大学 成人看護学
pp.249-252
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_249
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
救護活動としての災害看護のはじまり
はじめに,救護活動としての災害看護がはじまったとされる3つの災害について述べる.1888(明治21)年,磐梯山噴火で500人以上の死傷者が発生し,医師・看護師が派遣され救護活動が行われた.1891(明治24)年,岐阜・尾張地方に発生した推定マグニチュード8.4の濃尾地震の際,同志社病院,大阪医科大学病院,東京慈恵医院,日本赤十字社から医師・看護師が派遣され,負傷者1万7千人あまりの救護活動に従事した.1896(明治29)年,岩手県三陸沖にマグニチュード8.2の地震が発生しそれに伴う大規模な津波によって,三陸沿岸を中心に死者約2万2千人という被害が発生した.多数の医師・看護師が派遣され救護活動が展開された.
© Nankodo Co., Ltd., 2019