連載 ひろがる災害医療と看護 身につけるべき知識とスキル・2
災害看護に必要な知識とスキル
石井 美恵子
1
1北里大学看護学部
pp.946-951
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102537
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はじめに
平時にできないことは,災害時にもできない。これまでの災害支援活動を通して常々実感してきたことである。東日本大震災の被災地内支援者として活動した岩手県の保健師も「いつもやっていないことは,やっぱりできない。それを何とかやろうと思うと,時間とエネルギーがかかる」と,同じ言葉を口にしていた。一体,平時に何ができれば,災害看護への備えとなるのかということを,東日本大震災の経験をふまえ整理してみたいと思う。
また,今回,東日本大震災という未曽有の大災害を経験し,甚大かつ広域な被害であるがゆえの災害経験者のひろがり,看護を取り巻く社会変化による専門的なひろがり,看護の原点・理論に立ち戻るという意味でのひろがりがあった。このような災害看護のひろがりについても検討し,災害看護に必要な本質的な知識とスキル,今後の課題について述べる。
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