第Ⅳ章 各論:がん患者へのケアとエビデンス 患者の安楽の追求とエビデンス
ボディイメージの変容
花出 正美
1
1がん研究会有明病院看護部/がん看護専門看護師
pp.195-199
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_195
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がん患者が体験するボディイメージの変容過程
ボディイメージ(body image)とは,自己の身体に対する意識的または無意識的な認識・思いであり,自己概念の構成要素の1つである.
がん罹患と治療に伴って,患者は,一時的あるいは永続的な身体的変化を体験し,重要他者の反応,社会的評価,また自分自身の心理状態などの影響を受けて,ネガティブなボディイメージをもつことがある.そして患者は,時に気持ちのつらさを体験しつつ,自己の身体的変化に向き合いながら,身体的変化に応じてボディイメージを変容させ,自分らしさのなかで統合しようとする.しかし,現実の身体状況とボディイメージとの隔たりが大きい場合には,患者は,身体的変化に対処できなくなり,混乱を生じることがある.
© Nankodo Co., Ltd., 2019