第Ⅳ章 各論:がん患者へのケアとエビデンス 症状マネジメントとケアのエビデンス
呼吸困難
小迫 冨美恵
1
1横浜市立市民病院看護部/がん看護専門看護師
pp.179-183
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_kango24_179
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がん患者に出現する呼吸困難とは
呼吸困難の定義は「呼吸時の不快な感覚」であり,主観的な症状である.呼吸不全(PaO2≦60 Torr)とは必ずしも一致せず,低酸素血症を伴わなくても患者の主観的な息苦しさが起こる場合がある.原因を以下に示す1).
①がんの直接的影響(肺の腫瘍,がん性リンパ管症,気道の狭窄,閉塞,胸水,腹水,上大静脈症候群など)
②がん治療の影響(肺切除,放射線性肺炎,化学療法の肺毒性,骨髄抑制など)
③がんの間接的影響(悪液質,貧血,肺炎,肺塞栓,腫瘍随伴症候群など)
④がんに無関係(慢性閉塞性肺疾患;COPD,喘息,気胸,不安,神経筋障害など)
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