心臓病診断へのアプローチ—問診を中心に
呼吸困難
石川 恭三
1
,
広木 忠行
2
,
前田 如矢
3
1杏林大第2内科
2福岡大第2内科
3阪市大第1内科
pp.1018-1024
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206669
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呼吸困難の成因と定義
前田(司会) はじめに,呼吸困難はなぜ起こるかということですが,第1は,空気が十分に肺胞まで入ってこないか,酸素のとりこみが不足した場合で,健康人だと,激しい運動をしたとき,気道に障害はないけれど必要量だけ酸素が入ってこないような場合,妊婦や腹水のあるときなど,それから気管支炎や気管支喘息で気道に故障のある場合.もう一つ大きな原因としては,空気は十分に肺胞まで入ってくるけれども,酸素の取り込みが悪いという場合,これは肺炎,重症肺結核,肺気腫,気管支拡張症,肺線維症があります,これにはさらに心不全も入る.いわゆる心臓喘息です.それから,血液成分の異常があるとき,たとえば貧血やアシドーシスがあるときです.以上二つの大きな原因以外に,神経性のもの,たとえば不安感情,強度のヒステリーなどがあります.
ところで,息切れという言葉を使う人もありますが,呼吸困難と息切れとは本質的には同じものなのか,違うのか.石川先生は主訴として把握する場合,どう考えますか.
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