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特集 MIS時代にこそ理解しておくべき開腹手術の知識・技術
I. 上部消化管
1.食道切除術におけるMISについて理解しておくべき開胸手術の知識・技術
Open thoracotomy skills and principles that remain fundamental in the era of minimally invasive esophagectomy
栗田 大資
1
,
石山 廣志朗
1
,
大幸 宏幸
1
D. Kurita
1
,
K. Ishiyama
1
,
H. Daiko
1
1国立がん研究センター中央病院食道外科
キーワード:
開胸
,
胸腔鏡
,
ロボット
Keyword:
開胸
,
胸腔鏡
,
ロボット
pp.1225-1232
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka87_1225
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開胸で培われた「膜解剖に沿った層の選択」と「電気メス操作を基本とする剝離」は,術式が変化しても失われるべきでない原則である.とりわけ重要なのは3点である.第1に,強い牽引下で電気メスの先端を間隙に軽く触れ,凝固モードの“爆発”を利用して層を切離するポイントダイセクションである.第2に,深い術野で左手の持ち替えを最小限とし,「もつ位置・幅・方向」を最適化して安定したトラクションを確保する工夫である.第3に,手術を複数のパートに分け,各パートの「終点」を意識して連続性を保つ視点である.ロボット支援手術においても,開胸で助手が担った筋鉤による牽引・圧排はtip-up鉗子に置き換わり,さらにモノポーラシザーズなど有用なデバイスも導入されているが,その真価を発揮するには良好なトラクション下の視野確保が前提である点はかわらない.

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