増刊号 術前画像の読み解きガイド—的確な術式選択と解剖把握のために
Ⅰ 食道
開胸下縦隔リンパ節郭清
加藤 寛章
1
,
白石 治
1
,
百瀬 洸太
1
,
中西 智也
1
,
平木 洋子
1
,
安田 篤
1
,
新海 政幸
1
,
今野 元博
1
,
安田 卓司
1
Hiroaki KATO
1
1近畿大学医学部外科学教室上部消化管部門
キーワード:
食道癌
,
開胸
,
縦隔リンパ節郭清
Keyword:
食道癌
,
開胸
,
縦隔リンパ節郭清
pp.29-35
発行日 2022年10月22日
Published Date 2022/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213880
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食道癌はリンパ節転移を来しやすい癌であり,粘膜下層(sm)癌においても40%強の症例にリンパ節転移を伴う1).胸部食道癌手術で郭清すべき領域リンパ節は,頸部・胸部・腹部の3領域と広範囲にわたり,そのなかでも縦隔リンパ節への転移は最も頻度が高い.また,食道は気管・大動脈・心血管・肺・神経など重要な組織に囲まれて位置しており,それらの損傷は術後の重症合併症にもつながるため,根治のために徹底したリンパ節郭清が求められると同時に,温存すべき組織を温存する正確な手術操作が必須である.そのため,食道癌手術において胸部操作・縦隔リンパ節郭清は最重要のパートであるといえる.
また,手術にあたっては,CT検査を中心とした画像により原発巣や転移リンパ節状況,周囲臓器・組織との関係など,事前に手術のイメージをしっかりつけておくことが肝要である.本稿では,術前のCT画像所見と,術中画像を示しながら,開胸下縦隔リンパ節郭清手技のポイントを解説する.
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