連載 外科医の私論
外科医不人気時代を憂う
平野 聡
1
1北海道大学消化器外科Ⅱ
pp.700
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka86_700
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「世に生を得るは,事を成すにあり」とは,あの坂本龍馬の言とされている.時代背景的には政権委譲のような「世の中をあっと言わせるようなことをするぞ」という決意に溢れた言葉だったのかもしれないが,もっとマイルドには「人にはそれぞれもって生まれた役割がある」と言い換えられる.医師を目指した若者にとって,生涯の専門として何を選ぶかの自由は保障されているが,過去には一定数確保されていた外科医を目指す若者が減少したことは,取り巻く制度の問題とともに「与えられた役割を担う覚悟」がなくなってしまったことに原因があるのではないか.
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