Japanese
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特集 外科手術と感染症
II. 各論
3. 肝胆膵外科
2)肝胆膵外科におけるドレーンの必要性
The need for drains in hepatobiliary and pancreatic surgery
新川 寛二
1
,
田中 肖吾
1
,
天野 良亮
1
,
木村 健二郎
1
,
大平 豪
1
,
石沢 武彰
1
H. Shinkawa
1
,
S. Tanaka
1
,
R. Amano
1
,
K. Kimura
1
,
G. Ohira
1
,
T. Ishizawa
1
1大阪公立大学肝胆膵外科
キーワード:
肝切除
,
膵切除
,
腹腔ドレーン
Keyword:
肝切除
,
膵切除
,
腹腔ドレーン
pp.546-550
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_546
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胆道再建を伴わない待機的肝切除術における予防的腹腔ドレーンは必須ではないが,胆汁漏や術後出血などの術後合併症リスクが高い症例では,ドレーン留置が合併症の重症化防止に役立つことがある.膵頭十二指腸切除術では,過去の前向き試験で非留置群で高い死亡率を認めたことから,現状では予防的腹腔ドレーンを留置すべきであると考えられている.一方,尾側膵切除術では,予防的ドレーン留置が不要であるとする報告と,ドレーン留置により合併症率が低下するとの報告の両者があり,見解の統一は得られていない.術後合併症のハイリスク症例を正確に判別し,ドレーンの要否を検討する判断基準を確立することが肝要である.
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