Japanese
English
症例
食道裂孔ヘルニアを伴う胃軸捻転症に対しbarbed suture連続縫合で腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術・胃固定術を施行した1例
A case of laparoscopic hiatal hernia repair and gastric fixation with barbed suture for gastric torsion due to hiatal hernia
久野 晃路
1
,
井口 公太
1
,
田中 英治
1
,
福田 明輝
1
,
田浦 康二朗
1
,
寺嶋 宏明
1
K. Hisano
1
,
K. Iguchi
1
,
E. Tanaka
1
,
M. Fukuda
1
,
K. Taura
1
,
H. Terajima
1
1医学研究所北野病院消化器外科
キーワード:
胃軸捻転
,
腹腔鏡
,
胃固定術
,
barbed suture
Keyword:
胃軸捻転
,
腹腔鏡
,
胃固定術
,
barbed suture
pp.403-410
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka85_403
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胃軸捻転症は胃が生理的範囲を越えて捻転する比較的まれな疾患であり,虚血性変化を伴う場合や保存加療で改善がみられない場合など,症例によっては手術療法が必要となる.胃軸捻転に対する手術の基本は捻転の解除と予防および発症要因の除去である.近年,腹腔鏡下胃固定術や内視鏡的胃瘻造設による固定術などの低侵襲手術の報告が増加しているが,固定法や固定する位置・箇所数などの条件はさまざまである.現在のところ,これらの術式の長期予後を比較した研究結果は存在せず,発症要因・年齢や日常生活動作(ADL)などの患者背景・各術式の特徴を鑑みたうえで個々の患者に対する術式が決定されている.今回われわれは,滑脱型食道裂孔ヘルニアを伴う続発性間膜軸性胃軸捻転症に対しbarbed suture(3-0 V-Loc PBT:Medtronic社)を用いて腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術・胃固定術を施行した1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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