Japanese
English
臨床経験
血液透析患者における乳癌治療の検討
Treatment strategy for breast cancer patients undergoing hemodialysis
松本 恵
1
,
田中 彩
1
,
馬場 雅之
1
,
大坪 竜太
1
,
永安 武
1
M. Matsumoto
1
,
A. Tanaka
1
,
M. Baba
1
,
R. Otsubo
1
,
T. Nagayasu
1
1長崎大学病院腫瘍外科
キーワード:
乳癌
,
血液透析
,
生命予後
Keyword:
乳癌
,
血液透析
,
生命予後
pp.699-702
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_699
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慢性透析患者は年々増加傾向にあり,日本透析医学会によると2019年のデータで約33万人にのぼると報告されており,約97%が血液透析患者である1).また透析患者の約1/3が女性患者である.一方,乳癌も年々増加傾向にあり,2021年の罹患数予測は94,000人に上ると予測されている2).大規模な研究がないため結論はまだ出ていない状況であるが,透析患者で悪性腫瘍発生率が高いといわれている3,4).ともに増加傾向にある両疾患が合併する症例が増えていくことは間違いない.一方で透析患者の死亡原因として悪性腫瘍が占める割合は8.4%と報告されており,心不全・脳血管障害・心筋梗塞を併せた「心血管死」の割合は33.1%と多く1),癌以外の生命予後も考慮した透析患者特有の治療戦略を考える必要がある.本稿では,これまでの当院での臨床経験を文献的考察も含めて報告する.z
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