Japanese
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特集 内視鏡手術からみえる新しい解剖学
I. 上部消化管
5.鏡視下胃切除術における網囊の解剖
Topographic anatomy of the omental bursa
中村 達郎
1
,
倉橋 康典
1
,
石田 善敬
1
,
山田 重人
2
,
篠原 尚
3
T. Nakamura
1
,
Y. Kurahashi
1
,
Y. Ishida
1
,
S. Yamada
2
,
H. Shinohara
3
1兵庫医科大学上部消化管外科
2京都大学大学院人間健康科学系
3兵庫医科大学上部消化管外科
キーワード:
網囊
,
発生学
,
胃間膜切除
Keyword:
網囊
,
発生学
,
胃間膜切除
pp.430-434
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_430
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かつては網囊切除が盛んに行われていたため,網囊の局所解剖はより身近な存在であったが,現在では手術中に網囊の形態を意識する機会は減少しているかもしれない.しかし,胃癌の根治切除のコンセプトである胃間膜切除(MGE)において,胃間膜によって包まれた空間である網囊の形態を理解しておくことはランドマークとして非常に有用である.手術の「場の展開」や「癒着・癌の浸潤」により変形した網囊の形態を立体的にイメージし,どこを剝離すればいつもの空間にたどりつくかを見抜くには網囊の解剖を正確に理解しておくことが必要である.本稿では,内視鏡手術や発生学的な知見をふまえて,網囊の局所解剖を概説した.
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