Japanese
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特集 専門医必携 新外科手術書―新しい手術手技のエッセンス
V. 肛門
3.肛門狭窄を伴う慢性裂肛の手術適応と手技
Surgical indication and procedure of the chronic anal fissure with anal stenosis
石山 元太郎
1
,
石山 勇司
1
,
河野 由紀子
1
,
川村 麻衣子
1
,
西尾 昭彦
1
G. Ishiyama
1
,
Y. Ishiyama
1
,
Y. Kono
1
,
M. Kawamura
1
,
A. Nishio
1
1札幌いしやま病院
キーワード:
裂肛
,
AD
,
LIS
,
SSG
Keyword:
裂肛
,
AD
,
LIS
,
SSG
pp.550-554
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka83_550
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急性裂肛は肛門上皮の表在性の損傷であるため,多くの場合,便性状の改善と挿肛薬による保存的治療で軽快する.一方,裂肛を繰り返すと疼痛により内括約筋の過緊張状態をきたし,肛門管静止圧が上昇する.これにより肛門管上皮が虚血状態となり慢性化の原因となる.徐々に創部が深在化することにより潰瘍底を形成し,内括約筋が露出するようになる.潰瘍底は線維化を伴った慢性の肉芽層でおおわれ,結果として器質的な肛門狭窄をきたす1).また,創部周囲に炎症性のポリープや見張り疣といった付随病変が出現してくる.このような肛門狭窄を伴った慢性裂肛では,もはや保存的治療では効果を期待できず,手術療法の適応となる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021