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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
質の担保と有用なガイドライン
ランダム化比較試験の報告の質を担保するためのCONSORTガイドライン
CONSORT guidelines for ensuring the quality of reporting in randomized controlled trials
下川 敏雄
1
Toshio SHIMOKAWA
1
1和歌山県立医科大学医学部,同附属病院臨床研究センター副センター長
キーワード:
バイアス
,
内的妥当性と外的妥当性
,
ランダム化
,
盲検化
Keyword:
バイアス
,
内的妥当性と外的妥当性
,
ランダム化
,
盲検化
pp.560-570
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005560
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試験治療が対照治療(標準治療あるいはプラセボなど)に比べて患者に利益(有効性/安全性など)をもたらすかどうかを検証するうえで,最も有効な臨床試験デザインのひとつがランダム化比較試験(RCT)である.RCTは被験者をランダムに試験治療群と対照治療群に割り付け,介入による効果を比較する.これにより臨床試験に伴う多くのバイアスを排除することが期待できることから,単一の臨床試験としては最も高いエビデンスレベルに位置づけられている.ただし,適切性を欠いたRCTでは,これらのバイアスを十分に除くことができないため,誤った結論を導くおそれがある.そのためBeggsらは,RCTに関する論文の報告のためのガイドラインとして,CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials)声明を発表した.その後,CONSORT声明は2度の改訂が行われている(現在の最新版は,CONSORT 2010である),また非薬物介入研究に関しては,2017 CONSORT NPT Extensionが公表されている.ここでは,CONSORT声明に準拠したRCTの実施,ならびに論文の執筆を行うために必要な基礎的な内容について触れる.
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