Japanese
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特集 消化器疾患に対する縮小手術の可能性
3.胃癌に対する腹腔鏡下幽門保存胃切除術の適応と手技
Indication and surgical procedure of laparoscopic pylorus-preserving gastrectomy for gastric cancer
佐野 彰彦
1
,
栗山 健吾
1
,
中澤 信博
1
,
生方 泰成
1
,
原 圭吾
1
,
酒井 真
1
,
宗田 真
1
,
佐伯 浩司
1
,
調 憲
1
A. Sano
1
,
K. Kuriyama
1
,
N. Nakazawa
1
,
Y. Ubukata
1
,
K. Hara
1
,
M. Sakai
1
,
M. Sohda
1
,
H. Saeki
1
,
K. Shirabe
1
1群馬大学総合外科
キーワード:
早期胃癌
,
腹腔鏡下幽門保存胃切除術
,
幽門下動静脈
Keyword:
早期胃癌
,
腹腔鏡下幽門保存胃切除術
,
幽門下動静脈
pp.1308-1311
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka82_1308
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早期胃癌に対する幽門保存胃切除術は,胃の貯留能維持,消化液の胃内への逆流防止,術後ダンピング症状の予防などが期待されている.術前診断にてcT1N0かつ腫瘍遠位側縁が幽門から4 cm以上離れている早期胃癌に対する縮小手術であるため腹腔鏡下に行われることが多く,正確な術前深達度診断および局在診断が重要である.幽門下静脈を温存することにより幽門洞部のうっ血予防となり,胃排出障害発生を抑制しうるとの報告がある.そのためには幽門下動静脈分岐の多様性を含めた詳細な解剖学的知識と良好な視野展開のための工夫が必要である.M領域の早期胃癌を適応とすれば腫瘍学的に定型手術と治療成績は同等と報告されており,幽門保存胃切除術は術後機能温存手術として推奨される術式であると考えられる.
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