Japanese
English
症例
十二指腸潰瘍穿孔大網充塡後3年目に胃癌穿孔をきたした1例
A case of gastric cancer perforation after laparoscopic omental implantation repair for duodenal ulcer
住谷 隆輔
1
,
山田 和彦
1
,
野原 京子
1
,
相馬 大介
1
,
横井 千寿
1
,
國土 典宏
1
R. Sumiya
1
,
K. Yamada
1
,
K. Nohara
1
,
D. Souma
1
,
C. Yokoi
1
,
N. Kokudo
1
1国立国際医療研究センター病院外科
キーワード:
十二指腸潰瘍
,
大網充塡
,
胃癌
,
穿孔
Keyword:
十二指腸潰瘍
,
大網充塡
,
胃癌
,
穿孔
pp.974-977
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_974
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はじめに 十二指腸潰瘍患者の多くはH.pylori陽性であり,除菌により十二指腸潰瘍再発が約8割程度予防できるとされる1).一方,十二指腸潰瘍患者は健常者と比較し,明らかに胃癌のリスクが低いことも報告されている2).十二指腸潰瘍穿孔性腹膜炎に対しての外科治療は,可能であれば腹腔鏡下大網充塡術が行われている.胃癌穿孔は胃癌全体の1%以下とされ,比較的まれな病態である.しかし,上部消化管穿孔例の中で胃癌穿孔例の占める割合は6.8〜9.8%で,胃穿孔に占める割合は18.6〜44.4%と高率であり3),胃穿孔例に際しては,常に胃癌穿孔の可能性を念頭におき,術後の内視鏡検査を早期に行い精査する必要がある.今回われわれは,十二指腸潰瘍穿孔性腹膜炎に対して腹腔鏡下大網充塡術後3年を経過して,胃癌穿孔による汎発性腹膜炎で発症した1例を経験したので報告する.
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