Japanese
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特集 上部消化管内視鏡のトラブルシューティング
[各論]非静脈瘤性出血に対する止血術
止血後に穿孔をきたした
Perforation after hemostatic procedures for non-variceal upper GI bleeding
榮 浩行
1
,
竹中 龍太
1
Hiroyuki Sakae
1
,
Ryuta Takenaka
1
1津山中央病院内科
キーワード:
非静脈瘤性出血
,
内視鏡止血後
,
穿孔
Keyword:
非静脈瘤性出血
,
内視鏡止血後
,
穿孔
pp.206-208
発行日 2023年2月25日
Published Date 2023/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000632
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はじめに
近年の内視鏡治療の進歩により,上部消化管出血に対しては多くの場合で内視鏡止血が可能となっている。出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡止血術は,純エタノール局注法,高張ナトリウム・エピネフリン局注法(hypertonic saline-epinephrine:HSE法),クリップ法,ヒータープローブ,高周波止血鉗子などによる熱凝固法などさまざまな方法があり,これらを単独あるいは組み合わせて止血を行う1)。近年では,早期消化管癌に対するESDの術中出血に対するソフト凝固やバイポーラ鉗子を用いた高周波止血鉗子による止血法が確立され,内視鏡治療後に限らず出血性潰瘍に対する止血法としても主流となりつつある2)。クリップ法や局注法での止血に比べ,狙撃生検の技術があれば施行可能な簡便で安全性も高い手技だが,非常に稀ではあるものの穿孔をきたすことがあり,注意を要する。本稿では,上部消化管出血(特に医原性を除く非静脈瘤性出血)の止血処置による穿孔について,そのリスクや穿孔時の対応を概説するとともに,筆者らが経験した実際の止血後の穿孔例を提示する。
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