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特集 内視鏡外科手術における思わぬ合併症と対応法
8.腹腔鏡下胆摘における胆道損傷への対応
Bile duct injury during laparoscopic cholecystectomy;epidemiology, classification and therapeutic strategy
森 俊幸
1
,
松木 亮太
1
,
中里 徹矢
1
,
鈴木 裕
1
,
阪本 良弘
1
T. Mori
1
,
R. Matsuki
1
,
T. Nakazato
1
,
Y. Suzuki
1
,
Y. Sakamoto
1
1杏林大学消化器一般外科
キーワード:
腹腔鏡下胆摘術
,
術中胆道損傷
,
右肝動脈損傷
,
胆管空腸吻合術
Keyword:
腹腔鏡下胆摘術
,
術中胆道損傷
,
右肝動脈損傷
,
胆管空腸吻合術
pp.1343-1348
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_1343
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腹腔鏡下胆囊摘出術(LC)時の術中胆道損傷(BDI)は依然として多く,直近3年間でも0.58%と開腹胆摘時に比し3~5倍多い.LC時BDIはStewart-Way分類のClass 3や総胆管横断損傷や,Strasberg分類のType Eに相当する複雑な損傷が多い.LC時BDIは,術中発見できた場合は予後良好であり,術中胆道造影検査を全例で行うべきであるとする論調もある.術後にBDIが判明した場合には修復時期と治療成績には相関がないとも報告されている.このためまず達成すべきは,腹膜炎の鎮静化と胆汁漏の瘻孔化である.LC時BDIは血管損傷を伴うことも多く,治療は専門家にゆだねたほうが成績良好である.手術治療は胆管空腸吻合が基本となる.近年は内視鏡的インターベンション成功例の報告も多い.
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