Japanese
English
症例
右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術後に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した1例
A case of laparoscopic cholecystectomy after coronary artery bypass grafting using the right gastroepiploic artery
中里 健二
1
,
森永 暢浩
1
,
設楽 芳範
1
,
石崎 政利
1
,
調 憲
2
K. Nakazato
1
,
N. Morinaga
1
,
S. Shitara
1
,
M. Ishizaki
1
,
K. Shirabe
2
1公立藤岡総合病院
2群馬大学総合外科
キーワード:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
右胃大網動脈
,
冠状動脈バイパス術
Keyword:
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
右胃大網動脈
,
冠状動脈バイパス術
pp.1187-1190
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1187
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はじめに 虚血性心疾患に対する治療法として,冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass graft:CABG)は標準的な治療の一つとして定着している.バイパスグラフトとしては,開存率が高い動脈グラフトの使用頻度が高い.本邦では内胸動脈に次いで右胃大網動脈(right gastroepiploic artery:RGEA)が使用されることが多い1).欧米では開腹を要することなどから使用が普及しているとはいいがたいが,内胸動脈グラフトが届きにくい右冠状動脈領域に最短距離で到達できることから,本邦では右冠状動脈領域に対する動脈グラフトとして用いられることが多い2).一方,グラフトの長期成績の向上に伴い,CABG後の上腹部手術症例も増加している.グラフト血管を損傷した場合,重篤な心合併症を引き起こす危険性があるため,十分な配慮が必要である.今回,われわれはRGEAを使用したCABG後16年目に発症した急性胆囊炎に対し,腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した症例を経験したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018