Japanese
English
症例
右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術後の早期胃癌に対して腹腔鏡下幽門側胃切除を行った1例
A case of laparoscopic distal gastrectomy after coronary artery bypass grafting using the right gastroepiploic artery
中里 健二
1
,
設楽 芳範
1
,
石崎 政利
1
K. Nakazato
1
,
Y. Shitara
1
,
M. Ishizaki
1
1公立藤岡総合病院
キーワード:
腹腔鏡下幽門側胃切除
,
右胃大網動脈
,
冠状動脈バイパス術
Keyword:
腹腔鏡下幽門側胃切除
,
右胃大網動脈
,
冠状動脈バイパス術
pp.1079-1083
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka84_1079
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はじめに 虚血性心疾患に対する治療法として冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting:CABG)は標準的な治療の一つとして定着している.バイパスグラフトとしては開存率が良好な動脈グラフトの使用頻度が高く,本邦では内胸動脈に次いで右胃大網動脈(right gastroepiploic artery:RGEA)が使用されることが多い1).欧米では開腹を要することなどから使用が普及しているとはいいがたいが,内胸動脈グラフトが届きにくい右冠状動脈領域へ最短距離で到達できることから,本邦では右冠状動脈領域に対する動脈グラフトとして用いられることが多い2).一方,グラフトの長期成績の向上に伴い,CABG後の上腹部手術症例も増加している.グラフト血管を損傷した場合,重篤な心合併症を引き起こす危険性があるため,十分な配慮が必要である.今回,われわれはRGEAを使用したCABG後6年目に発症した早期胃癌に対し,腹腔鏡下幽門側胃切除を施行した1例を経験したので報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022