3．右胃大網動脈グラフトによる冠動脈バイパス後の開腹手術―術前準備と術中対策

Preoperative preparation and intraoperative strategies for abdominal surgery after coronary artery bypass using a right gastroepiploic artery graft

要旨

・右胃大網動脈を使用した冠動脈バイパス後に開腹手術を要することがある．

・開腹時のグラフト損傷は心筋虚血を誘発する可能性があるが，安全に開腹できれば多くの術式は特別な手技は必要なく手術を完遂できる．

・膵頭十二指腸切除など右胃大網動脈離断を要する術式では，術前もしくは術中血行再建を考慮する．

・開腹手術時に同時に血行再建を行うことで，手術の遅延や心イベントの発症なく手術の完遂が可能となる．