Japanese
English
症例
妊娠中期に発症した穿孔性虫垂炎に対して腹腔鏡下手術が有用であった1例
A Case of laparoscopic surgery for complicated appendicitis in a 20-week pregnant patient
中尾 詠一
1
,
杉田 光隆
1
,
渡部 顕
1
,
小野 秀高
1
E. Nakao
1
,
M. Sugita
1
,
A. Watanabe
1
,
H. Ono
1
1横浜市立みなと赤十字病院外科
キーワード:
妊婦
,
高度炎症性虫垂炎
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
妊婦
,
高度炎症性虫垂炎
,
腹腔鏡下手術
pp.1065-1069
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_1065
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はじめに 妊婦に対する腹腔鏡下虫垂切除術の安全性に関して,開腹手術と比較して胎児死亡率が高いとの報告もあったが1,2),米国消化器内視鏡外科学会3)において,腹腔鏡手術は妊娠中のいかなる時期であっても安全に施行可能であるとの見解が出されていることや,直近のシステマティックレビューにおいては4),腹腔鏡下手術による胎児死亡率の増加は,術式を決定するほど強いものではないと結論づけられており,報告例が増加している.しかし,妊娠中に発症した高度炎症性虫垂炎(壊疽性・穿孔性・膿瘍形成性)に対して腹腔鏡下手術を施行した報告例は少ない.今回,妊娠中期に発症した穿孔性虫垂炎に対して腹腔鏡下手術を施行し,術後合併症なく安全に出産にいたった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2018