特集 外科手術器具の理論と使用法
Ⅲ.エネルギーデバイス
乳腺手術で用いるエネルギーデバイス
栗原 俊明
1
,
木下 貴之
1
1国立がん研究センター中央病院乳腺外科
キーワード:
乳腺手術
,
超音波切開凝固装置
,
ベッセルシーリングシステム
Keyword:
乳腺手術
,
超音波切開凝固装置
,
ベッセルシーリングシステム
pp.1189-1192
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka79_1189
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現在本邦における乳房手術は,乳房温存術,胸筋温存乳房切除術が多くを占める.最近では整容面から皮膚または乳輪乳頭温存乳房切除術や再建術などの術式も導入されるようになっている.また,所属リンパ節領域である腋窩領域に対する術式としては,早期乳癌に対するセンチネルリンパ節生検が今日では標準治療となっているが,腋窩リンパ節転移を認める症例においては腋窩リンパ節郭清術がいまだ欠かせない.
乳腺手術においては,従来型の電気メスを除くエネルギーデバイスの使用についてはまだ保険適用となっていないが,術中出血のコントロール,術後後出血の予防,リンパ漏や術後リンパ浮腫の予防としてエネルギーデバイスを有効に活用することが注目されている.本稿では,既存の文献および当科での使用経験から有用と思われるデバイスを供覧し,安全かつ確実な乳腺手術について考察する.
© Nankodo Co., Ltd., 2017