Japanese
English
脊柱変形up-to-date Ⅲ.成人脊柱変形
1.自然経過
高齢者の脊柱変形における腰痛
-――椎体終板障害に着目して
Low back pain with endplate lesion in the elderly spinal deformity
中前 稔生
1
,
藤本 吉範
2
,
山田 清貴
2
,
安達 伸生
1
T. Nakamae
1
,
Y. Fujimoto
2
,
K. Yamada
2
,
N. Adachi
1
1広島大学整形外科
2アマノリハビリテーション病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima
キーワード:
low back pain
,
bone marrow edema
,
spinal deformity
Keyword:
low back pain
,
bone marrow edema
,
spinal deformity
pp.88-94
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei87_88
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は じ め に
昨今の超高齢社会の到来に伴い,変性を基盤とした脊柱変形を伴う慢性腰痛患者が急増して社会的問題となっているため,これら高齢者の慢性腰痛への対策が急務である1~4).近年では腰痛に伴う運動器障害が高齢者の要支援・要介護の主因となっており,社会活動や日常生活動作(ADL)が腰痛により強く制限されている5).
脊柱変形における腰痛の原因としては,これまで単純X線像での脊柱アライメントにおける各種パラメータが重要であるといわれており,高齢者の脊柱アライメントを多大な侵襲およびコストを用いて矯正する手術が世の中で数多く行われている6,7).しかしながら,これら単純X線像では形態的な評価のみであり,脊柱組織の質的評価は行われておらず,高齢者脊柱変形の腰痛の病態は依然として不明であることが多い.腰痛の原因が特定できなければ適切な治療選択が困難となり,腰痛を難治化させる,もしくは病態に即していない手術療法を行うことになる.このように腰痛の解決には,まず病態解明が喫緊の課題である.
高齢者の腰痛の要因には種々の病態があるが,慢性腰痛の要因の一つとしてわれわれは椎体終板障害に注目しこれまで研究を行ってきた8~14).本稿では,高齢者の脊柱変形患者における腰椎椎体終板障害の病態と診断について解説し,われわれが行っている病態に即した手術療法を紹介する.

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