Japanese
English
整形外科外来診療の工夫――診断,保存療法,外来手術 Ⅰ.総論
1.検査・診断
坐位と仰臥位のX線側面像を用いた胸腰椎不安定性の評価法
Evaluation of thoraco-lumbar spinal instability using lateral X-ray images in the sitting and supine positions
遠藤 照顕
1
T. Endo
1
1友愛記念病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Yuai Memorial Hospital, Koga
キーワード:
spinal instability
,
vertebral compression fracture
,
spondylolisthesis
Keyword:
spinal instability
,
vertebral compression fracture
,
spondylolisthesis
pp.2-8
発行日 2024年10月31日
Published Date 2024/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei86_2
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は じ め に
胸腰椎疾患において,不安定性の評価は骨折や変性疾患の診療に重要である.特に骨折は日常生活動作(ADL)に影響する強い疼痛を引き起こすこと,圧潰による変形を残すことにより症状が残存する可能性があることから早期に診断,治療を行うことが望ましい.骨折の診断には,通常単純X線検査を用いることが多いが,単純X線検査では診断できない骨折もしばしばみられる.
骨折椎の診断において,動態撮影を行うことで椎体の不安定性を評価し診断する方法がある.一般的には立位での前後屈動態撮影で評価することが多いと思われるが,疼痛のため撮影が困難なことがある.骨折に対する椎体不安定性の評価として,坐位と仰臥位での側面像を比較する撮影法(坐位・仰臥位動態撮影法)が報告されている1).
本稿では,坐位・仰臥位動態撮影法により不安定性を評価し,骨折や腰椎すべり症の診断・治療に有効であった症例を報告する.
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