脊椎転移における不安定性および脊髄圧迫の評価

Assessment of Spinal Instability and Spinal Cord Compression in Spinal Metastases

はじめに

　転移性脊椎腫瘍は，進行がん患者の約30〜40％に発生し，脊椎不安定性や脊髄圧迫による神経障害を引き起こす可能性がある重大な合併症である^12）．適切な治療方針の決定には，脊椎の不安定性と脊髄圧迫の程度を正確に評価することが不可欠である．本稿では，脊椎不安定性の評価法としてのSpinal Instability Neoplastic Score（SINS）と，腫瘍による脊髄圧迫（Metastatic/Epidural Spinal Cord Compression：MSCC/ESCC）の評価について解説する．