Japanese
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臨床経験
骨粗鬆症による胸腰椎部多発性圧迫骨折後に遅発性脊髄麻痺をきたした1例
Delayed Neurologic Deficit Following Thoraco-Lumbar Vertebral Compression Fracture in Osteoporotic Patient : A Case Report
菅野 裕雅
1
,
張簡 俊義
1
,
大沼 信一
1
,
石河 紀之
1
,
湯浅 昭一
1
,
阿部 栄二
2
Hiromasa Kanno
1
1寿泉堂綜合病院整形外科
2秋田大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Jusendo General Hospital
キーワード:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
vertebral compression fracture
,
脊椎圧迫骨折
,
delayed neurologic deficit
,
遅発性神経障害
Keyword:
osteoporosis
,
骨粗鬆症
,
vertebral compression fracture
,
脊椎圧迫骨折
,
delayed neurologic deficit
,
遅発性神経障害
pp.1163-1166
発行日 1996年10月25日
Published Date 1996/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902020
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抄録:多発性に圧迫骨折を伴い遅発性脊髄麻痺を来した症例に対し,前方より脊柱管除圧・再建を行った.症例は76歳女性である.1994年1月より誘因なく腰痛が生じ,徐々に両下腿のしびれと疼痛が増強し入院となった.筋力は前𦙾骨筋がG,長趾伸筋がFに低下していた.単純X線ではT12,L1,L2の圧迫骨折があり,ミエログラムではT12での不完全ブロック像を認めた.手術は前方アプローチでT12推体後壁の骨片を切除し,T11からL3までKaneda device多椎間固定システムと椎間スペーサーを用いて固定し,骨移植を併用した.術後1年3カ月の現在,両足関節以下のしびれはあるものの筋力はNに回復した.前方法は,胸膜外腹膜外侵入で行えば老人に対しても比較的侵襲は少ない.また,脊柱管内骨片を安全に除去でき,前方に支柱を置くことができるためinstrument破損が少なく,固定範囲が少なくてすむなどの利点がある.
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