Japanese
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小児整形外科up-to-date Ⅰ.総論
1.検診
愛媛県内における乳児股関節検診新システム
-――母子手帳貼り付け型チェックシートの導入
New screening system of developmental dysplasia of the hip in Ehime prefecture
佐野 敬介
1
K. Sano
1
1愛媛県立子ども療育センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Ehime Rehabilitation Center for Children, Toon
キーワード:
DDH
,
medical examination
,
screening system
Keyword:
DDH
,
medical examination
,
screening system
pp.6-12
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei85_6
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は じ め に
発育性股関節形成不全(DDH)は近年発症頻度が低下しており,そのため乳児健診時の「すり抜け」による診断遅延例が問題となっている.日本小児整形外科学会(JPOA)による全国多施設調査により,本邦では年間およそ100例のDDH診断遅延例が存在することが判明している1).愛媛県内でも診断遅延例は増加傾向にある2).このため当科では2014年以降,愛媛県内の小児科医および一般整形外科医に対し,講演を通じて乳児股関節健診・検診(以下,健診・検診)についての啓発活動を行ってきた.啓発活動開始後,当科へのDDH疑い症例の紹介数は増加しているが,問題点が多く存在する状態であった.
このため,愛媛県では2023年9月よりチェックシートを用いた新しい健診・検診システム(以下,新システム)を導入することとなった.本稿では新システム開始以前の問題点,新システムの意義,および具体的な内容について説明する.
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