Japanese
English
小児整形外科up-to-date Ⅱ.外傷
1.骨折
1)上腕骨顆上骨折
小児上腕骨顆上骨折血管損傷例の対応
Management strategy of the pediatric pulseless supracondylar humerus fracture
中川 敬介
1
,
新谷 康介
2
K. Nakagawa
1
,
K. Shintani
2
1大阪市立総合医療センター小児整形外科
2大阪公立大学大学院整形外科
1Dept. of Pediatric Orthopedics, Osaka City General Hospital, Osaka
キーワード:
supracondylar humerus fracture
,
vascular injury
,
perfused pulseless hand
,
pink pulseless hand
Keyword:
supracondylar humerus fracture
,
vascular injury
,
perfused pulseless hand
,
pink pulseless hand
pp.50-56
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei85_50
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は じ め に
小児上腕骨顆上骨折は,日常診療において遭遇する頻度が高い骨折である.多くの場合,血管損傷は合併せず,保存的治療または経皮的鋼線固定術(closed reduction and percutaneous pinning:CRPP)が施行される.しかし,頻度は決して高くないが,血流障害・血管損傷が疑われ,血管を展開すべきか否か頭を悩ませることがある.
特に,末梢の色調は良好であるが橈骨動脈を触知できない状態をperfused pulseless handまたはpink pulseless hand(PPH)と表現するが,その病態はさまざまである.こうした症例に対する最適な治療方針についてはコンセンサスが得られていない.本稿の目的はわれわれが経験したさまざまな症例を供覧するとともに,文献的考察もふまえて,現在どのように治療方針を決定しているかを示すことである.
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