Japanese
English
臨床経験
大腿骨頸部骨折手術後の大腿深動脈仮性動脈瘤の1例
False Aneurysm of the Profunda Femoris Artery after Internal Fixation of the Femoral Neck Fracture
石丸 晶
1
,
後藤 哲二
1
,
岩原 敏人
1
,
柴田 稔
1
,
松倉 裕美
2
Akira Ishimaru
1
1旭川赤十字病院整形外科
2旭川赤十字病院胸部外科
1Department of Orthopedic Surgery, Asahikawa Red Cross Hospital
キーワード:
股関節手術
,
hip surgery
,
血管損傷
,
vascular injury
,
大腿深動脈
,
profunda femoris artery
,
仮性動脈瘤
,
false aneurysm
Keyword:
股関節手術
,
hip surgery
,
血管損傷
,
vascular injury
,
大腿深動脈
,
profunda femoris artery
,
仮性動脈瘤
,
false aneurysm
pp.1443-1446
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907315
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抄録:右大腿骨頸部外側骨折に対する観血的骨接合術後に生じた大腿深動脈仮性動脈瘤の1例を報告した.症例は73歳男性で,骨折手術後30日目に右大腿の拍動性腫瘤と収縮期雑音を認めた.核医学的検査(blood pool imaging)および動脈造影により,大腿深動脈損傷によって生じた仮性動脈瘤と診断し,同血管の結紮術を施行した.臨床経過および術中所見から,原因として骨折手術中のdrillingによる動脈損傷である可能性が高いと思われる.診断上注意すべきは,動脈損傷後,仮性動脈瘤としての特徴的理学所見が明らかになるまでに長時日を要するため,血管損傷の存在に気づきにくい点にあるが,核医学的検査と動脈造影により診断は確実に行い得る.一般に大腿深動脈の途絶によって患肢の循環不全は生じないため,治療としては,動脈の結紮術が最も安全かつ確実である.
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