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特集 椎骨動脈のすべて
大規模スタディーからみた術中椎骨動脈損傷の臨床と対策
Iatrogenic Vertebral Artery Injury: Symptoms and Countermeasures
根尾 昌志
1
Masashi NEO
1
1大阪医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Osaka Medical College
キーワード:
椎骨動脈
,
vertebral artery
,
血管損傷
,
vascular injury
,
手術合併症
,
surgical complication
Keyword:
椎骨動脈
,
vertebral artery
,
血管損傷
,
vascular injury
,
手術合併症
,
surgical complication
pp.591-597
発行日 2019年6月25日
Published Date 2019/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201154
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はじめに
以前より頸椎の前方アプローチにおける椎骨動脈損傷(vertebral artery injury:VAI)は知られていたが,頸椎の後方インストゥルメンテーション,特にMagerl螺子や頸椎椎弓根螺子(cervical pedicle screw:CPS)の普及に伴って,近年広く注目されるようになってきた.VAIでは術中止血困難な大出血を起こすことがあり,また何とか止血できたとしても小脳や脳幹の梗塞に伴う神経学的後遺症を残したり,ときには患者の死亡という最悪の結果になったりすることがある.きわめてまれな合併症だけに,一体どんなことが起こり,それにどう対処したらよいのかは不明なことが多い.頸椎手術に伴うVAIに関する大規模スタディーの論文を紹介するとともに,自分自身が個人的に見聞きした症例から学んだ自分なりの考えを述べる.
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