Japanese
English
臨床経験
腸腰動・静脈の損傷により術後後腹膜血腫をきたしたL5/S1椎間孔部ヘルニアの1例
A Case of Retroperitoneal Hematoma from Ilio-lumbar Vessel Damaged during L5/S1 Foraminal Discectomy
日野 浩之
1
,
藤谷 正紀
2
Hiroyuki Hino
1
1伊達赤十字病院整形外科
2北海道整形外科記念病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Date Red Cross Hospital
キーワード:
retroperitoneal hematoma
,
後腹膜血腫
,
foraminal disc herniation
,
椎間孔部ヘルニア
,
vascular injury
,
血管損傷
Keyword:
retroperitoneal hematoma
,
後腹膜血腫
,
foraminal disc herniation
,
椎間孔部ヘルニア
,
vascular injury
,
血管損傷
pp.659-663
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902718
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抄録:L5/S1椎間孔部ヘルニアに対して外側アプローチにて椎間板摘出を行い,その際に腸腰動・静脈の損傷により,術後後腹膜血腫をきたしたと思われる症例を経験したので報告する.
症例は46歳の男性で右下肢痛を主訴に初診,腰椎の前後屈制限があり,右SLR 70°陽性,神経学的には右L5神経根症状を呈し,MRIで右L5/S1椎間孔部ヘルニアを認めた.手術は外側アプローチにて脱出髄核を摘出し,椎間板内掻爬も可及的に施行した.掻爬終了間際に椎間板内よりわずかに出血を認め,血管損傷の可能性も考慮して掻爬はその時点で終了した.術後,右下肢症状は改善したが,右下腹部痛を訴えていた.また,翌日の末血所見でHb 11.1g/dl(術前15.5),Ht 33.3%(術前46.0)と貧血を呈していた.術後は血圧低下や頻拍など大血管損傷に伴う症状はなく,また経過中も貧血の進行は認めないため止血剤・抗生剤の投与で保存的に様子をみた.画像上,CT・MRIにて後腹膜に血腫と思われる像を認めた.術後2週目で腹痛は治まり,貧血も改善した.
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