Japanese
English
人工関節における進歩 Ⅰ.バイオマテリアル
2.金属素材と表面加工
2)3Dポーラス加工
タンタル性三次元ポーラス大腿骨コンポーネントを用いた人工膝関節全置換術の術後成績
-――同社前機種セメントレス大腿骨コンポーネントとの臨床および画像評価の比較
Clinical and radiographic outcomes of three-dimensional printed porous tantalum femoral component in total knee arthroplasty:comparison with conventional cementless femoral component of the same company
渡辺 新
1
,
絹笠 友則
1
,
六﨑 裕高
2
,
佐藤 祐希
1
,
谷口 悠
1
,
市原 琢己
1
,
池田 耕太郎
1
A. Watanabe
1
,
T. Kinugasa
1
,
H. Mutsuzaki
2
,
Y. Sato
1
,
Y. Taniguchi
1
,
T. Ichihara
1
,
K, Ikeda
1
1いちはら病院整形外科
2茨城県立医療大学付属病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Ichihara Hospital, Tsukuba
キーワード:
cementless TKA
,
porous tantalum
,
Trabecular Metal
,
femoral component
,
radiolucent line
Keyword:
cementless TKA
,
porous tantalum
,
Trabecular Metal
,
femoral component
,
radiolucent line
pp.13-17
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei83_13
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
セメントレス人工膝関節全置換術(TKA)の長期成績は良好であるが1,2),骨との接触面での固着不全と考えられる単純X線像で放射線透過性線像(radiolucent line:RLL)が経時的に増加し,弛みを生じた例も報告されている3,4).
タンタル性の3DポーラスであるTrabecular Metal(TM)[Zimmer Biomet社]はヒト海綿骨に類似した構造をもち(図1),80%の高い気孔率(平均気孔径は450μm)であり,高い摩擦係数が特徴的である.そのため良好な生体親和性と骨への早期からのbone ingrowthが報告されている5,6).
すでにTMの脛骨コンポーネントは臨床使用されており,良好な成績が報告されている7,8).しかしながらTM大腿骨コンポーネントの臨床およびその画像成績については不明である.
本研究の目的は,セメントレスタイプのTM大腿骨コンポーネントであるPersona(Zimmer Biomet社)と,前機種であり,コバルトクロム合金のファイバーメッシュ構造をもつセメントレス大腿骨コンポーネントNexGen(Zimmer Biomet社)[図2]の2機種間の術後2年での臨床および画像評価を比較・検討することである.また,術後1年で抜去を余儀なくされたTM大腿骨コンポーネントの骨界面についての顕微鏡学的解析も報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2023