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特集 整形外科画像診断・評価の進歩
Ⅰ.X線検査
4.トモシンセシスによる人工膝関節置換術の術後評価
Postoperative evaluation of total knee arthroplasty using digital tomosynthesis
箕田 行秀
1
Y. Minoda
1
1大阪公立大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka Metropolitan University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
digital tomosynthesis
,
TKA
,
loosening
,
osteolysis
,
radiolucent line
Keyword:
digital tomosynthesis
,
TKA
,
loosening
,
osteolysis
,
radiolucent line
pp.521-528
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_521
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は じ め に
各国のnational registry dataにおいて人工膝関節全置換術(TKA)の手術件数は増加している.また,TKA患者の若年化も徐々にすすむ傾向にある.しかし,若年者でのTKA後再置換率は高いことが明らかになっており,TKAの長期耐用性は今後もわれわれの課題となる.TKA再置換の原因として,オーストラリアのnational registry dataでは,感染は約26%であるが,loosening・osteolysis・摩耗が約25%といまだに多い1).したがって,長期耐用性の観点からはこれらの対策が非常に重要である.しかし,looseningやosteolysisに起因するインプラント周囲の大きな骨欠損は,特に同種骨が使用しにくいわが国では技術的にも困難であり,巨大な骨欠損ができる前に早期発見して再手術を行うことが重要である.Looseningやosteolysisの早期診断は,人工股関節全置換術(THA)ではCTで比較的容易に可能であるが2,3),TKAでは大腿骨顆部は金属で囲まれているため困難である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022