Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その2) Ⅲ.良性骨腫瘍・腫瘍類似疾患の治療
4)その他
短管骨発生の内軟骨腫に対する病巣掻爬術の工夫
-――自家製水圧掻爬ツールの使用経験
Surgical technique for curettage of enchondroma arising from short bones:experience with original hydraulic curettage tool
大幸 英至
1
,
中西 一義
1
E. Osaka
1
,
K. Nakanishi
1
1日本大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nihon University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
enchondroma
,
novel curettage tool
,
bent needle tip
Keyword:
enchondroma
,
novel curettage tool
,
bent needle tip
pp.79-83
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei80_79
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は じ め に
内軟骨腫は比較的よく遭遇する硝子軟骨性の良性骨腫瘍である.多くは手足の短管骨に好発し,単純X線検査において偶然に発見される場合もあるが,病的骨折を契機に診断されることが多い.切迫骨折や病的骨折,さらに疼痛を生じている症例に対しては手術的治療が考慮される.手術的治療は皮質骨を開窓し,各種骨鋭匙を用いて腫瘍を掻爬する方法が標準的手術である.一般に掻爬するには骨鋭匙を用いるが,大小さまざまな先端サイズがあり,さらに直や曲の仕様がある(図1).実際これらの骨鋭匙で多くの症例で十分に対応可能であると考えられる.しかし骨鋭匙は金属でつくられているため剛性が高い.直と曲の仕様はあるが,開窓を小さく作成してしまうと届かない部位も生じてしまい,無理に掻爬を行うと知らずに開窓部が拡大されてしまうこともある.そこでわれわれは,自家製水圧掻爬ツールを考案した.
本稿では,短管骨発生の内軟骨腫に対して自家製水圧掻爬ツールの作成方法ならびに使用方法,さらに治療成績について紹介する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020