Japanese
English
臨床経験
病巣掻爬術単独による指趾内軟骨腫の治療成績
Treatment of Enchondromas in the Hands and Feet by Simple Curettage
牧 範聡
1,2
,
伊崎 寿之
1
,
冨士川 恭輔
1
Noriyoshi Maki
1,2
1防衛医科大学校整形外科
2自衛隊富士整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Defense Medical College
キーワード:
enchondroma
,
内軟骨腫
,
curettage
,
病巣掻爬
Keyword:
enchondroma
,
内軟骨腫
,
curettage
,
病巣掻爬
pp.767-770
発行日 1998年6月25日
Published Date 1998/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902465
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内軟骨腫に対する治療は病巣掻爬および骨移植術が一般的である.今回われわれは,指趾内軟骨腫に対し骨移植を行わずに病巣掻爬術のみを施行した症例を経時的に観察し検討した.適応は少なくとも1側の骨皮質が残存しており,重作業に従事していない症例とした.対象となった症例は指趾内軟骨腫10例で,全例単発性であった.術後は外固定を行わず,抜糸後は日常生活での使用を許可した.術後2~4ヵ月で単純X線写真上骨新生が明らかとなり,6~9ヵ月で腫瘍掻爬部全体が新生骨で満たされた.病巣掻爬術単独で行う本法の長所は,採骨による侵襲がないこと,人工骨などの異物を用いないことなどが挙げられる.一方,短所は術後に骨の強度低下が危惧されることが挙げられる.今回,掻爬部に大きな外力が働く恐れのある症例や骨強度の著しい低下が予想される症例を除外することにより,指趾内軟骨腫は病巣掻爬術単独でも治癒が可能であった.
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