Japanese
English
臨床経験
𦙾骨近位部の内軟骨腫から悪性転化した脱分化型軟骨肉腫の1例
Dedifferentiated Chondrosarcoma in the Proximal Tibia Developing from Pre-existing Enchondroma
粟森 世里奈
1
,
土屋 弘行
1
,
北野 慎治
1
,
富田 勝郎
1
,
前野 紘一
2
,
野々村 昭孝
3
,
野島 孝之
4
Serina Awamori
1
1金沢大学医学部整形外科学教室
2加賀中央病院整形外科
3金沢大学医学部臨床病理部
4金沢医科大学中検病理
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Kanazawa University
キーワード:
dedifferentiated chondrosarcoma
,
脱分化型軟骨肉腫
,
malignant change
,
悪性化
,
enchondroma
,
内軟骨腫
Keyword:
dedifferentiated chondrosarcoma
,
脱分化型軟骨肉腫
,
malignant change
,
悪性化
,
enchondroma
,
内軟骨腫
pp.639-642
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902713
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抄録:脱分化型軟骨肉腫は高悪性度の肉腫組織と,内軟骨腫,または低悪性度の軟骨肉腫などの軟骨組織が共存する悪性度の高い,かつ稀な腫瘍である.われわれは,内軟骨腫から悪性転化したと思われる本症を経験したので報告する.症例は78歳女性で,右下腿の疼痛を主訴として当科を紹介されて受診し,単純X線像,MRIなどの画像所見から,右𦙾骨の高悪性の軟骨肉腫と診断し,腫瘍切除および人工関節による再建を施行した.切除標本の病理診断は脱分化型軟骨肉腫であり,内軟骨腫様組織と悪性線維性組織球腫様組織が境界明瞭に接していた.また,当科受診の5年前の単純X線の所見では内軟骨腫の典型像を呈していた.以上より,内軟骨腫に脱分化が起こったと推測された.単発性の良性軟骨腫瘍は可能性は低いが,悪性化を念頭に置いて慎重な経過観察をすることが望ましい.
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