Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その2) Ⅲ.良性骨腫瘍・腫瘍類似疾患の治療
1)骨巨細胞腫
デノスマブ時代を迎えた骨巨細胞腫治療の変遷
Changes of the giant cell tumor of bone treatment in the denosumab era
浅野 尚文
1
N. Asano
1
1慶應義塾大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Keio University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
giant cell tumor of bone
,
denosumab
Keyword:
giant cell tumor of bone
,
denosumab
pp.40-44
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei80_40
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は じ め に
デノスマブはNF-κB活性化受容体リガンド(receptor activator of nuclear factor kappa-B ligand:RANKL)に対するヒトモノクローナル抗体であり,破骨細胞形成・活性化を強力に抑制する.わが国では,2012年に転移性骨腫瘍に対する治療薬として承認され,2014年に骨巨細胞腫に対しても適用が拡大された.以後わが国の実臨床でもデノスマブが利用できるようになり,骨巨細胞腫の治療は大きな変革期を迎えた.しかしながら,切除不能例に対する長期投与の問題や,切除可能例に対する術前補助療法としての適応など検討すべき課題も多い.
本稿では,デノスマブ承認前後で骨巨細胞腫の治療戦略や治療成績がどのようにかわったのかを既報をもとにまとめ,特に切除不能例に対する長期投与と切除可能例に対する術前補助療法の適用について述べ,考察を加える.
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