Japanese
English
骨・軟部腫瘍のマネジメント(その2) Ⅲ.良性骨腫瘍・腫瘍類似疾患の治療
2)単純性骨嚢腫
単純性骨嚢腫の病因
Etiology of a solitary bone cyst
星 学
1
,
大戎 直人
1
,
岩井 正
1
,
家口 尚
1
,
高見 勝次
1
,
中村 博亮
1
M. Hoshi
1
,
N. Oebisu
1
,
T. Iwai
1
,
M. Ieguchi
1
,
M. Takami
1
,
H. Nakamura
1
1大阪市立大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Osaka City University Graduate School of Medicine, Osaka
キーワード:
simple bone cyst
,
pathogenesis
,
long bone
,
calcaneus
Keyword:
simple bone cyst
,
pathogenesis
,
long bone
,
calcaneus
pp.45-49
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei80_45
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は じ め に
単純性骨嚢腫とは小児期に好発する腫瘍類似病変であり,真性の腫瘍ではないとされている.発生頻度は上腕骨,大腿骨,踵骨,腓骨,橈骨の順である.特に好発部位である大腿骨と上腕骨の長管骨では近位骨幹端に発生することが多い1).大腿骨と上腕骨の長管骨に発生する単純性骨嚢腫(長管骨嚢腫)では病的骨折を契機に発見されるのに対して,踵骨発生の単純性骨嚢腫(踵骨骨嚢腫)は足関節周囲の外傷を契機に偶然発見されることが多い.踵骨骨嚢腫では病的骨折は非常にまれである2).単純性骨嚢腫の臨床上の問題点は,骨脆弱性のために病的骨折をきたし,変形,成長障害,短縮をきたすことである.単純性骨嚢腫の病因については現在も未解明の状態である.本稿では,単純性骨嚢腫の病因について過去の報告をふまえて解説する.
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