Japanese
English
骨粗鬆症と骨粗鬆症関連骨折に対する診断と治療 Ⅱ.薬物治療
テリパラチドを使用する際は副甲状腺機能亢進症に注意が必要である
Hyperparathyroidism should be weighed when using teriparatide
永井 隆士
1
,
石川 紘司
1
,
黒田 拓馬
1
,
大下 優介
2
,
阪本 桂造
1
,
稲垣 克記
1
T. Nagai
1
,
K. Ishikawa
1
,
T. Kuroda
1
,
Y. Oshita
2
,
K. Sakamoto
1
,
K. Inagaki
1
1昭和大学整形外科
2昭和大学横浜市北部病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Showa University School of Medicine, Tokyo
キーワード:
side effect
,
osteoporosis
,
hyperparathyroidism
,
teriparatide
Keyword:
side effect
,
osteoporosis
,
hyperparathyroidism
,
teriparatide
pp.69-71
発行日 2020年10月31日
Published Date 2020/10/31
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei78_69
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は じ め に
ヒトにおける副甲状腺ホルモンの作用は,骨芽細胞系細胞に作用し最終的に破骨細胞を活性化して骨に貯蔵されていたカルシウムを取り出し,血中カルシウム濃度を維持することである1).副甲状腺ホルモン(PTH)製剤であるテリパラチドは,骨芽細胞,破骨細胞両方の活性を亢進させ2),強力な骨密度増加効果2,3),骨折抑制効果4)を有し,骨折の危険性が高い骨粗鬆症を対象に使用することができる.投与方法も連日と週1回,さらに2019年12月には週2回のオートインジェクションタイプも導入され利便性が向上した.しかしながら本製剤は,「副甲状腺ホルモン」であることを忘れてはいけない.本稿では,低骨密度の女性患者に対して,副甲状腺ホルモン(intact-PTH)を測定したことによって,重篤な副作用を回避することができたため,症例報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2020