椎間孔に及んだ腰椎椎体下縁後壁骨折により生じた腰下肢痛の特徴と骨癒合過程の観察

Clinical features and healing process of caudal end plate injuries of osteoporotic vertebral bodies extending to lumbar foramen with radiculopathy

は じ め に

　1992年に成人の椎体破裂骨折^1），さらに2008年に骨粗鬆症性椎体骨折の骨癒合遷延時の治癒過程や臨床像など^2）を報告してきた．成人の破裂骨折における脊柱管内陥入骨片は，反張位整復後経時的に縮小しながら椎体後方部や椎弓根と骨癒合し，麻痺も改善する^1,3,4）．骨粗鬆症性椎体骨折は椎体後方部から骨癒合し，次いで椎体側方から前方に向かい，最後に椎体中央部が圧潰しながら骨癒合し骨折椎体が安定化する^2,4～7）．さらに椎体終板の骨折も分析し^6,7），椎体下縁にある尾側終板の損傷は上縁の損傷に比べ症例数は少ないが，受傷後1ヵ月でMRI T1強調画像の低輝度変化が損傷椎体全体に拡大し^6），椎体圧潰が進行しやすい骨折であった^2,6）．

　本稿では，腰椎椎間孔に及んだ椎体下縁の後壁損傷により生じた腰下肢痛の特徴および骨折椎体の下縁周囲部特に椎間孔を中心に，椎体後壁および椎体側方や前方の骨癒合過程さらに椎間板の形態変化を三次元再構築CT像を用いて経時的に観察したので報告する．